ヤバいくらいオトクな青色申告!!メリットから申告方法、節税術まで大公開!!

個人事業主は、会社員と違い確定申告をしなくてはなりません。

この確定申告には青色申告と白色申告の2つの種類があります。

節税を考えて確定申告を行うなら、青色申告一択です。

この記事では、青色申告のメリットや節税テクニックを包み隠さず大公開します。

目次

確定申告は税金を支払うために自ら収支を申告する制度

確定申告とは、個人事業主、又は一定の副収入がある方が、収支とそこから導き出される税金を自ら確定させ申告し、納めるための制度です。

確定申告には青色申告と白色申告の2つの種類があります。

それぞれ特徴とそれによって生み出されるメリットとデメリットがあるのです。

まずは青色申告と白色申告の違いを解説します。

青色申告と白色申告の違いは?メリット、デメリットは?

まず、白色申告について解説します。

確定申告は帳簿を付け、それを元に作成します。

この時白色申告の場合は、一つの取引につき一つの記録を残すだけでいい単式簿記で作成します。

単式簿記は複式簿記に比べて簡単に記録ができるので、日々の帳簿管理も簡単です。

この簡単さから、白色申告は申告の準備が分かりやすく、簡単にできるというメリットがあります。

しかし、白色申告は青色申告のように税金を優遇してもらえるような特典が付きません

節税を考えているなら、このデメリットは頭が痛い問題となります。

一方、青色申告ですが、青色申告は複式簿記という形で帳簿を付けます

複式簿記は単式簿記に比べ複雑です。

そのため、青色申告の申告準備も難しいものになります。数字が苦手な方や、面倒臭がりな方には、ちょっと辛いデメリットですね。

また、青色申告は事前の申請が必要です。

申請をしていない年の確定申告は白色申告で提出しなくてはなりません。

これもデメリットの一つです。

一見するとデメリットが多く見える青色申告ですが、デメリットだけではありません。

青色申告は、税金が控除されたり、経費がより認められやすい等の特典が付くのです。

青色申告で付く特典は、たくさんありますが、代表的なのは以下の4つです。

青色申告の主な特典

65万円の特別控除が適応される
赤字を3年間繰り越しできる
家族への給与を経費にできる
30万未満の償却資産を一括で経費にできる

これらのメリットは全て節税につながるメリットです。

上手く使えば、支払う税金の額を小さくすることができます

個人事業主として仕事をしていくなら、見逃せないメリットではないでしょうか。

▼青色申告と白色申告の比較

青色申告白色申告
簿記複式簿記単式簿記
確定申告の難易度難しいやさしい
事前申請必要不要
節税効果

青色申告を選択できる条件は複式簿記での帳簿

先程の項目で少し触れましたが、青色申告をする場合は複式簿記で帳簿を付けなくてはなりません。

複式簿記とは、全ての取引を借方と貸方に分けて記帳し、整理する方法です。

青色申告を行う時は、この複式簿記で記録した取引を元に青色申告決算書を作り、提出しなくてはなりません。

青色申告決算書は、以下の資料で構成されています。

青色申告決算書の内訳

損益計算書(3枚)
貸借対照表(1枚)

損益計算書(PL)は収入と経費で構成された決算書のことで、年間の経営成績を知ることができる資料です。

また貸借対照表(BS)は、資産と負債、資本で構成された決算書のことです。

期末の財政上状態を知ることができる資料になります。

青色申告は複式簿記の帳簿とこれらの資料を用意しなくてはなりません。

この内容を見て、青色申告に対して苦手意識を感じてしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

フリーランスなど比較的小規模な個人事業主でも会計ソフトを使えば、複式簿記は怖くない!!

難しさを感じる青色申告ですが、簡単に帳簿や資料の準備ができる方法があります。

それが会計ソフトの活用です。

会計ソフトは日々の取引を入力すれば、ソフトが自動で帳簿や資料の準備をしてくれます。

freeeやマネーフォワードを使えば、クラウド上で管理できる

現在、会計ソフトは色々な会社から販売・公開されています。

その中でもおすすめなのが、freeeやマネーフォワードのように、クラウド上で管理できるタイプです。

このタイプは、会計ソフトのクラウドにアクセスできれば、どこでもいつでも帳簿管理ができます。

普段はPCで管理して、外出先ではスマホアプリから入力する、といった形で利用もできます。

クレジットカード、銀行明細との連携も便利。入力が不必要になる

この他の機能では、クレジットカードや銀行明細と連携できる機能があるタイプもおすすめです。

クレジットカードや銀行明細と連携させておけば、自動で会計ソフトが帳簿を記録してくれます。

帳簿と聞くと、ノートに一々取引を記入するイメージがある方も多いです。

しかし会計ソフトを使えば、かさばるノートを使う必要もなければ、入力の手間すら省けるようになります。

青色申告のデメリットである「帳簿に付けるが面倒」というデメリットをなかったことにできるのは、すごいことですね。

減価償却などの複雑な計算も会計ソフトだと自動!

帳簿を付ける際、減価償却等の計算も必要になります。

減価償却とは、時間とともに価値が薄れる物、主に長期にわたって使用する固定資産の資産を正しく計算するため計上方法です。

例えばパソコンやその周辺機器は、使用すればするほど、販売から時間が経てば経つほど、資産価値が薄れていきます。

簿記では、この資産価値を正しく計上するため、一定の期間で資産の購入額を分割して、経費として計上していきます。

複雑な計算が必要な経費ですが、この計算と記帳も会計ソフトは自動でやってくれます。

これも会計ソフトがおすすめな理由の一つです。

青色申告のメリットとは?青色申告を活用するために最低限抑えておきたいポイント

先程も少し触れましたが、青色申告には税金負担を抑えるメリットがたくさんあります。

せっかく会計ソフトで複雑な青色申告が簡単にできるようになるのですから、利用しない手はありませんね。

青色申告のメリットを活用するためには、メリットの内容を知っておかなくてはなりません。

次の項目では、最低限押さえておいてほしいポイントを解説します。

65万円の青色申告特別控除が受けられる

青色申告には、青色申告特別控除という控除があります。

これは文字通り、青色申告をした人だけが受けられる控除で、最大で65万円分の控除を受けられます

簡単にいうと65万円までは利益が出ていても、利益0円として扱われ所得税がかからないという制度です。

この控除は青色申告をした場合のみに受けられる控除であり、白色申告では受けられません。

節税を考えるなら、青色申告を選択した方がはるかにお得なのです。

赤字を3年まで繰越して、黒字と相殺できる

青色申告は純損失、つまり赤字を3年まで繰り越すことができます

ある年度に赤字を出してしまった場合、次の年からその損失分を最大で3年間所得金額から控除できるのです。

赤字を出してしまっても、次の年からその分を控除してもらえるので、翌年以降の税金の支払額を減らせるわけです。

開業時から赤字を出してしまっているような個人事業主でも、利益が出たときに過去の赤字分は税金がとられないという、とてもうれしい特典です。

少額減価償却資産の特例が使える

減価償却費は10万未満の備品購入には適用されないため、一括で経費計上できます。

青色申告をしていれば、この一括経費計上の枠を30万未満まで広げることができるのです。

いまいちピンとこない方もいるかもしれませんが、30万円未満の経費分、利益にかかる税金を抑えられる、と考えてみて下さい。

例えば、25万円のパソコンを12月末に10台(合計250万円分)買ったとしましょう。

少額減価償却資産の特例を使えば、この250万円はまるまる経費にできますが、使わなければほとんどが資産計上されてしまい経費にできません。

利益を250万円丸々食いつぶせたことになるのです。

例で考えると、この特例のすごさを感じられるかと思います。

専従者給与を経費にできる

確定申告において、事業を手伝ってくれている家族のことを専従者といいます。

青色申告をしていると、この専従者の給与を経費計上できるのです。

これにより、支払う税金を抑えることができます。

注意点としては、家族の給与を経費計上する場合、配偶者控除等の一部の控除を利用できません

しかし、専従者への給料を比較的多額に払っている場合には、配偶者控除を受けるよりも節税効果が高くなりますので、非常に大きなメリットになってきます。

青色申告のやり方、流れから届出、申告書などの提出方法まで

節税におけるメリットがたくさんある青色申告ですが、青色申告を行うには申請やそれに伴う手続きが必要です。

確定申告には期限がありますから、流れを押さえることはとても大切です。

しっかり覚えておきましょう。

まずは税務署に開業届、青色申告承認申請書を提出。提出期限には注意

まずは税務署に開業届を提出します。

開業届は、開業した日から1か月以内に、管轄の税務署に届けなくてはなりません。

管轄の税務署は仕事をする事務所等がある住所によって決められています。

あらかじめ調べておきましょう。

次に、青色申告承認申請書を提出します。

提出期限は開業から2か月以内です。

この期間までに管轄の税務署に提出します。

ちなみに、一般的には、開業届と青色申告承認申請書を同時に税務署に出してしまいます。

開業届、青色申告承認申請書の作成方法

開業届や青色申告承認申請書は、国税庁のホームページからダウンロードできます。

国税庁:開業届書のダウンロードページ
国税庁:青色申告承認申請書のダウンロードページ

届け出にはマイナンバーと本人確認書類が必要なので、合わせて用意しておきましょう。

必要書類をダウンロードまたは印刷したら、必要項目を記入していきます。

個人事業主の場合、自宅で開業している方が多いので、納税地はほとんど自宅と同じ住所になるかと思います。

もし、自宅と事務所が別にある場合は、記入時に間違えないようにしましょう。

開業届に記載する業種は注意

実は、業種によって個人事業主の税率が異なる場合があります

事業届等に記入する業種は、慎重に選びましょう。

自分が行う事業が該当する業種とその税率を先に調べておくことをおすすめします。

開業届を提出すると屋号で銀行口座が作れる

ちなみに、開業届を提出すると屋号で銀行口座を作れるようになります。

また、社会的信用も得やすくなります。

青色申告だけでなく、開業届にも出しておいた方がいいメリットがあるのです。

白色申告から青色申告に変更手続きをとることもできる!

現在個人事業主として働いていて、白色申告で確定申告を出しているという方は、白色申告を提出する時に青色申告承認申請書を提出し、承認されれば、次の年からは青色申告で確定申告を行えるようになります。

青色申告の申告期間

青色申告の申告期間は、翌年の2月16日~3月15日の間と決まっています。

なお、コロナ禍においては、期限が4月15日までに延長される年もありました。

その期間中に提出しなくてはなりません。

ちなみに、消費税の申告期間は、翌年の1月1日~3月31日の間と期間が違っていますので注意してください。

はじめて青色申告をする場合、特に個人事業主として仕事をする場合、消費税の確定申告の対象でない方がほとんどかと思いますので、所得税の確定申告期間である、2月16~3月15日の間を申告期間として覚えておきましょう。

青色申告で提出が必要な書類

先に少し触れましたが、青色申告ではいくつかの書類を管轄の税務署に提出します。

提出する書類は事業の内容によって微妙に変化しますが、どの事業も共通して提出しなくてはならないのが、以下の書類です。

必要な書類

確定申告書B(2枚)
青色申告決算書(損益計算書3枚、貸借対照表1枚)

なお、帳簿や領収書などは提出書類ではありませんが、原則7年間(ものによっては5年間)の保管義務がありますので注意しましょう。

書類の作成方法は?

書類の作成方法は主に3つです。

申告書類の作成方法

自分で全てノートや紙に書き、計算して作成する
会計ソフトに入力する
税理士等の依頼する

自分で計算し、ノート等で管理する場合、帳簿を付ける手間が発生する上に、ミスの可能性も高くなります。

何より、帳簿を付ける時間で事業をする時間が圧迫されますから、事業に支障が出る可能性もあります。あまりおすすめできる方法ではありません。

会計ソフトなら、先程も解説した通り、取引を入力すれば後はソフトが自動で計算してくれます。

確定申告に必要な書類もソフトで作成できるので、おすすめです。

この他、税理士に管理をお願いする方法もあります。

この場合、毎月、毎年税理士にお金を支払わなくてはなりません。

毎月数万円の費用が掛かっても確実に管理して欲しい、税理士の知恵を借りたいという方にお勧めの方法です。

書類の提出方法

確定申告の書類は3つの方法で提出できます。

申告書の提出方法

税務署に足を運んで提出する
税務署に書類を郵送する
e-Taxを利用する

この方法の内、一般的な方法が書類を税務署に郵送する方法です。

この時期の税務署は確定申告の相談で来る人で混雑しています。

書類を提出するだけでもかなりの時間がかかってしまうので、直接税務署に行くのはあまりおすすめできない方法となります。

e-Taxは税務署のホームページから直接ネットで確定申告を行う方法です。

一々書類を印刷する必要がなく、データを送れば終わるので一番おすすめの方法となります。

また、令和2年から青色申告特別控除を65万まで使うための条件として、e-Taxで送ることが加わりました。少しでも税を抑えたい場合は、e-Taxの方が便利になります。

迷ったら税理士に相談すべき

個人事業主として仕事をしている方の中には、税金を軽視している方も多くいるのが現状です。

確定申告をする必要をあまり感じていない、という方も多いのではないでしょうか。

一方で最近でも芸能人が税務署に指摘を受け、芸能界から追放されてしまうニュースが世間を騒がせました。

確定申告は面倒に感じる方も多いですが、一度やり忘れただけで人生を棒に振ってしまう可能性もあることなのです。

白色申告、青色申告に限らず、確定申告をはじめとした税金のことで疑問や迷いがある時は、専門家である税理士に相談しましょう。

税理士の選び方は自分にあうかどうか

では、どんな税理士に相談すべきなのでしょうか。

税理士も人間ですから、自分と気が合う方を選ぶのが一番ではあります。

しかし実力があり、自分のことを親身に考えてくれる税理士かどうかを確かめたい場合は、リスクについてどう話しているかに注目してみて下さい。

基本的に税理士はリスクを取りたがらないため、リスクがあることはNOの一点張りであることが多いです。

しかし、リスクを説明した上で自分に判断を任せてくれるなら、その税理士さんは自分のことを考えてくれる、良い税理士さんといえます。

このような方に会えた時は、その税理士さんを逃さないようにした方がいいでしょう。

無料税理士相談会などを活用するのも手

市町村役場や税務署では、無料税理士相談会を開いている時があります。

この時に足を運んで、たくさんの税理士さんに相談してみましょう。

たくさんの人に会えば、どんな人がいいか自然とわかってきます。

自分で探すのもよい方法ですが、こうした相談会を活用して探す方法もあることを覚えておきましょう。

税理士の探し方や各地域でのおすすめ税理士をご紹介

各地域でのおすすめ税理士や税理士の探し方などをご紹介している記事もあります。

よろしければ、参考にしてみてください。

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個人事業主の確定申告と法人の法人税申告との違いから確定申告を考える

ここで、個人事業主と法人の違いと、それによる確定申告の違いについて触れます。

青色申告への理解を深めるのに必要な知識です。あわせて覚えておきましょう。

個人事業主と法人の違い

まずは個人事業主と法人の違いです。

個人事業主は生活をしながら所得を得ている存在ですが、法人に生活は存在せず、所得を得るためにつくられたものです。

もっと簡単に言ってしまえば、個人で仕事をするか、会社として仕事をするかの違いといえます。

この個人と会社の違いから、確定申告で申告する税も違いがあります。

個人事業主は所得税を、法人は法人税を申告します。

個人事業主は経理機能が十分にないことが多いですが、法人はしっかりとした経理機能が存在しています。

個人事業主の青色申告もできるだけ簡便になるように設計されている

個人事業主の場合、事業を行いながら帳簿を付ける等の経理機能を遂行していきます。

そのため、経理機能が不十分な状態であることが多いです。

少額減価償却資産の特例等があるのは、この不十分な経理機能を助ける意味もあります。

大変なことがおおい確定申告ですが、国税局もそれをわかってくれています。

だからこそ、大変な青色申告に色々な特典を付けてくれているのです。

税務署の見るポイントの違い

税務署は提出された確定申告の書類を見て申告や申請を通すかの判断を行います。

法人の場合は、以下の点をチェックされることが多いです。

本来従業員に支払うべき給料が会社の経費として使われていないか
不正経理がされていないか

では、個人事業主の場合はどのような点をチェックされているのでしょうか。

個人事業主の場合は、生活と事業を共に行っている状態から、生活費だったものを事業の経費で落としていないかという点をチェックされています。

個人事業主の確定申告では、経費で落ちるものが生活費の範疇に含まれていないかを説明・証明できる証拠が必要になるのです。

経費計上した領収書等は、必ず整理し、管理しておきましょう。

いつでもそれが経費であることを説明できるよう確認しておいて下さい。

まとめ

青色申告は記録の取り方から提出期限まで、一見複雑な申告方法にみえますが、理解してしまえばなんてことはありません。青色申告をしっかり理解して、節税に役立てて下さい。

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